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2007年12月30日

『ビッチェズ・ブリュー+1』 マイルス・デイビス

ビッチェズ・ブリュー(Bitches Brew)/マイルス・デイビス(Miles Davis)
マイルス・デイビス(Miles Davis)

マイルス初のゴールド・ディスクとなった1969年録音の名盤。ロックや電子楽器、ポリリズムなどを取り入れたことでその後のフュージョン・ジャズを導いた彼の最高傑作のひとつ。20世紀の音楽史に残る革命的作品。

■曲目リスト
ディスク:1
1. ファラオズ・ダンス
2. ビッチェズ・ブリュー
ディスク:2
1. スパニッシュ・キー
2. ジョン・マクラフリン
3. マイルス・ランズ・ザ・ヴードゥー・ダウン
4. サンクチュアリ
-ボーナストラック-
5. フェイオ


マイルス・デイヴィスが1970年に発表した2枚組のエレクトリック・ジャズ・アルバム。
『カインド・オブ・ブルー』と並ぶマイルス最大のヒット作であると同時に、
ジャズ界を越えて音楽界に革命をもたらした最高傑作である。

16ビートを基調としロックやファンクの要素をとりいれたサウンドは、フュージョンの先駆けとも評されたが、
今聞いても新しく、唯一無二のものであったことがわかる。


メンバーには、チック・コリア(エレクトリックピアノ)やジョン・マクラフリン(エレクトリックギター)なども擁し、
最初から最後まで異常にハイテンションな演奏が続く。


自分も初めて『ビッチェズ・ブリュー』を聞いたときはぶっとんだ・・・(汗
特にロックやファンク、前衛音楽なんかが好きな人にはバッチリはまる内容じゃないだろうか。
ジャズ界からは若干・・・だったようですが。


アルバムジャケットの絵画も印象的で素晴らしい。
トータルアートを感じさせるあたり、ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』を想像させるし、
ほんと、60年〜70年代の音楽は何もかもすごすぎる・・・。もうあんな時代は来ないでしょうね。


なお、リリース後マイルスは、ワイト島ミュージック・フェスティバルにも参加している。
ジミ・ヘンドリックスやザ・フー、フリー、ドアーズなどロックアーティストと同じステージに立ち、
「Call It Anything」と題し『ビッチェズ・ブリュー』からの3曲も含むメドレーを演奏した。


伝説のライブDVDでてます。が演奏シーンがかなり少ないようです。
ちゃんとしたの出せ!
ワイト島1970~輝かしきロックの残像~ [DVD]
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▲ワイト島「Call It Anything」
しかし観客の数がすごいな・・・


2007年12月29日

『カインド・オブ・ブルー+1』 マイルス・デイビス

カインド・オブ・ブルー(Kind Of Blue)/マイルス・デイビス(Miles Davis)
マイルス・デイビス(Miles Davis)

全世界で累計1000万枚を売り上げているジャズの名盤中の名盤。このアルバムで今日のメイン・ストリームにまで通じるモードという奏法が確立された。エヴァンスとコルトレーンという2人の巨人が参加している。

■曲目リスト
1. ソー・ホワット
2. フレディ・フリーローダー
3. ブルー・イン・グリーン
4. オール・ブルース
5. フラメンコ・スケッチ
-ボーナストラック-
6. フラメンコ・スケッチ(別テイク)


1959年に録音、同年コロムビア・レコードから発表されたマイルス・デイビスの代表作。
モード・ジャズを探求したマイルスの完成系としても有名。


バンドメンバーには、ジョン・コルトレーン(テナーサックス)、ビル・エヴァンス(ピアノ)という
モダンジャズ・ジャイアンツ3人を擁している。←すごい
全世界で累計1000万枚を超える売上げを記録する、
ジャズ100年の歴史においても頂点を極める最高傑作。


モード・ジャズとは、曲のコード進行をなくして、
あるスケール(音階)にしたがってアドリブ(即興演奏)をするという手法だ。
新たな手法といっても奇抜な音ではなく、とても繊細な美しさがあるのが特徴だ。


今聞くとむしろとても自然な演奏で心地よい。
悪く言えばジャズのエキサイティングさにはかけるのだが・・・

BGMとしてゆったり聞くのにオススメです。



▲ソー・ホワット


『マインド・ゲームス』 ジョン・レノン

マインド・ゲームス(Mind Games)/ジョン・レノン(John Lennon)
ジョン・レノン(John Lennon)

架空の国家「ヌートピア」をテーマとした作品。政治色の濃い前作『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』とはうって変わって内省的な要素が強く、日本語で歌う楽曲やポップな表題曲も収録、耳なじみの良い1枚となっている。

1. マインド・ゲームス
2. タイト・As
3. あいすません
4. ワン・デイ
5. ブリング・オン・ザ・ルーシー
6. ヌートピアン・インタナショナル・アンセム
7. インテューイション
8. オンリー・ピープル
9. アイ・ノウ
10. ユー・アー・ヒア
11. ミート・シティ
-ボーナストラック-
12. あいすません (「あいすません」の初期ヴァージョン歌詞違い)
13. ブリング・オン・ザ・ルーシー (「ブリング・オン・ザ・ルーシー」のホーム・ヴァージョン)
14. ミート・シティ (「ミート・シティ」のオルタナティヴ・ヴァージョン)


1973年に発表されたジョン・レノンの第4弾ソロ・アルバム。
当初は『ヌートピア宣言』という邦題だった。全英6位・全米9位を記録した。


架空の国家「ヌートピア」をコンセプトにしたこのアルバムには、「ヌートピア宣言」というものが記されている。
ジョンとヨーコが新しい国家の設立を宣言するものだが、その日付が4月1日(エイプリルフール)というのも彼らなりのジョークである。
「6. ヌートピアン・インタナショナル・アンセム(ヌートピア国際賛歌)」という曲、これは6秒間の無音だ。
この沈黙に自分の好きな歌を思い浮かべればそれがヌートピア国歌になるというもの。
ジョン・ケージなどの前衛音楽にも繋がる趣向だが、ただの歌手ではないジョンのアーティスト&ユニークな部分が現れていて面白い。


前作『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』と比べると、
口ずさみたくなるような曲が多く、非常に聞きやすいポップな仕上がりになっている。


表題曲「1. マインド・ゲームス」は、ジョンの平和思想を具現化した名曲。
個人的にジョンの一番好きな曲の1つだ。
日本人好みの美しいメロディー、広がりのある(ジョンらしくない?)アレンジなど文句なし。
サビで少し声を震わせて裏声で歌うところはぐっと来ます。

原曲はビートルズ時代に作られていて、当時のタイトルは「Make Love, Not War」。
エンディングのフェイドアウトするところで、さりげなくこの歌詞が歌われている。
平和を願う思いは変わらない。素敵だ。

Love is the answer!



▲マインド・ゲームス


『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』 ジョン・レノン

サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ (Sometime In New York City)/ジョン・レノン(John Lennon)
ジョン・レノン(John Lennon)

72年の作品。Disc1はフィル・スペクターのプロデュースによるスタジオ録音。Disc2はライヴで、(3)~(6)はフランク・ザッパ&マザーズとの共演だ。政治的な内容の歌が多く、レノンのラディカルな面を浮かび上がらせてはいるが、作品としてはやや散漫。

■曲目リスト
ディスク:1
1. 女は世界の奴隷か!
2. シスターズ・オー・シスターズ
3. アッティカ・ステート
4. ボーン・イン・ア・プリズン
5. ニューヨーク・シティ
6. 血まみれの日曜日
7. ザ・ラック・オブ・ジ・アイリッシュ
8. ジョン・シンクレア
9. アンジェラ
10. ウィ・アー・オール・ウォーター

ディスク:2
1. コールド・ターキー
2. ドント・ウォリー・キョーコ
3. ウェル(ベイビー・プリーズ・ドント・ゴー)
4. ジャムラグ
5. スカンバッグ
6. オー

※2005年に発表されたリミックス&デジタル・リマスター盤では3曲(ディスク2の4〜6)が省略され、
代わりにボーナストラックが2曲追加されている。
14. リッスン・ザ・スノウ・イズ・フォーリング
15. ハッピー・クリスマス(戦争は終った)



2007年12月28日

『イマジン』 ジョン・レノン

イマジン(Imagine)/ジョン・レノン(John Lennon)
ジョン・レノン(John Lennon)

NYの自宅で作り上げたソロ2作目。愛と平和の祈りを込めた表題曲のイメージが強いが、ポールを揶揄した「ハウ・ドゥ・ユー・スリープ」などジョンらしいシニカルな作品、美しいバラード「ジェラス・ガイ」なども収録された名盤。

■曲目リスト [試聴・ダウンロード]

1. イマジン
2. クリップルド・インサイド
3. ジェラス・ガイ
4. イッツ・ソー・ハード
5. 兵隊にはなりたくない
6. 真実が欲しい
7. オー・マイ・ラヴ
8. ハウ・ドゥ・ユー・スリープ(眠れるかい?)
9. ハウ?
10. オー・ヨーコ


『ジョンの魂』についで1971年9月9日に発表されたジョン・レノンの代表作の1つ。

平和をを訴える表題曲「イマジン」は、ジョンの代名詞でもある。
人間にとっての普遍のテーマであり、今もなお聞き継がれ、
未来にも永遠に歌い継がれる不滅の名曲だ。

ソロになってからのジョンは、こうしたメッセージ色を強め、カリスマ性を強めていった。
ビートルズは聞かないけど、ジョンレノンは好きという人も多いように思う。


プライマル・スクリーム療法の影響で作成された前作『ジョンの魂』で、心の闇をすべてを吐き出し、
本作では吹っ切れたような、澄み渡るような爽やかさが感じられる。


ビートルズ時代にセッションで演奏されていた名曲「3. ジェラス・ガイ 」や「6. 真実が欲しい」などもここに収録。
「ジェラス・ガイ」は「チャイルド・オブ・ネイチャー」と呼ばれていたが、
歌詞を書き直して完成させている。


そしてもう1曲印象的なのは隠れた名曲とも言える「7. オー・マイ・ラヴ 」。
1968年にオノ・ヨーコはジョンとの子を流産してしまう。
ヨーコは流産してしまった子へ詞を書き、ジョンが曲をつけて完成させたという。
メロディーが悲しげで、部分的に日本の陰旋法のような旋律が出てくるのも特徴的。
ギターとピアノのアレンジもソフトでとても良い。ギターを弾いているのはジョージ・ハリソン。


バラードだけでなく結構ラフな感じの曲も多いが、
オーケストラがダビングされていたりして意外と音数が多い点で、前作とは違うと言える。

(曲の)「イマジン」が好きだからという理由で買った人は、
やっぱりすんなり聞けるタイプの内容ではないかもしれない。・・・このあたりがジョンらしいのだが。


ちなみに「リミックス&デジタル・リマスタリング盤」シリーズとして、2000年に発売されてますが、
何故かこの『イマジン』にはボーナストラック無しです。


「イマジン」


『ジョンの魂』 ジョン・レノン

ジョンの魂(John Lennon/Plastic Ono Band)/ジョン・レノン(John Lennon)
ジョン・レノン(John Lennon)

ビートルズ解散後、初のソロ・アルバム。ジョンの心情を吐露した、極めて内省的な内容となっており、シンプルなサウンドが、ヴォーカルと詞世界をいっそう際立たせている。

■曲目リスト [試聴・ダウンロード]

1. マザー(母)
2. しっかりジョン
3. 悟り
4. ワーキング・クラス・ヒーロー(労働階級の英雄)
5. 孤独
6. 思い出すんだ
7. ラヴ(愛)
8. ウェル・ウェル・ウェル
9. ぼくを見て
10. ゴッド(神)
11. 母の死
-ボーナス・トラック-
12. パワー・トゥ・ザ・ピープル
13. ドゥ・ジ・オズ


1970年、ビートルズ解散後に初めて発表されたジョン・レノンのソロアルバム。
これ以前にもジョン・レノン&オノ・ヨーコの名義でアルバムを発表していており、
それらを入れると4枚目のアルバムとなる。


『ジョンの魂』はジョン・レノンの最高傑作アルバムだ。
と書くと聞き心地の良いポップな音を想像させてしまうかもしれないが、
アルバム冒頭から重苦しい鐘の音から幕を上げる。
日本盤タイトル通り、ジョンの魂そのものであり叫びが詰まっている。
「イマジン」のような綺麗なジョンだけではなく、弱い1人の人間としてのジョンがここにはいる。


ビートルズの解散で傷ついていたジョンは、
アーサー・ヤノフ博士による「プライマル・スクリーム」精神治療を受けている。
プライマル・スクリームとは、人間心理の奥深くに潜む苦痛を呼び覚まし、すべてを吐き出すという治療法である。
この体験でジョンは、学生の頃に母を失った記憶などが蘇り、大声を上げて泣き出したという。

こうした経緯で、このアルバムには、心の暗闇を吐き出すような曲が収録されている。


“お母さん行かないで お父さん帰ってきて”と絶叫する「1. マザー(母) 」
“ビートルズを信じない”と、ビートルズとの決別を宣言する「10. ゴッド(神)」
是非、歌詞を見ながら聞いて欲しい。

「7. ラヴ(愛) 」のような綺麗なバラードも収録、
ラストはカセット・テープで録った「11. 母の死」で静かに幕を下ろす。コンセプトとしても素晴らしい。


・・・と思ったら、2000年の再発売以降はボーナス・トラックが追加されていて、
そのあたりの余韻は微妙になってしまっています。
(嬉しいやら、悲しいやら・・・・)

とにかく内容が重すぎるので、決してBGMとして気楽に聞くアルバムではないが、
心を動かす歌声は永遠に色あせることはないでしょう。

『ジョンの魂』の音は潔いほどシンプルだ。楽器も最低限のものしか使われていない。
現在のレコーディングは打ち込みが当たり前になり、
マルチトラックで音を何度も重ねて、分厚い無機質で機械的な音楽しか聴けなくなってしまった。


そんな今だからこそ、音楽の本質を感じ取ってもらいたい。
本当に大切なものは変わらないのだから・・・・



▲GOD


▲デモバージョン? かっこいい


2007年12月27日

『星紀行〜二人の帰る場所〜』 薬師丸ひろ子

星紀行〜二人の帰る場所〜/薬師丸ひろ子
薬師丸ひろ子

薬師丸ひろ子が行ったコンサートツアー「星紀行」の模様が低価格化。ツアー先の人々と触れ合う自然体の姿から、彼女の持つ優しさが伝わる1作。“見体験!BEST NOW DVD”。

■曲目リスト
1. 星は何処へ行くのでしょう
2. セーラー服と機関銃
3. 星紀行
4. 日差しはとてもオシャレさん
5. 二人の帰る場所
6. ささやきのステップ
7. 風と光に抱かれて
8. 日差しのSTEADY BOY
9. あなたを・もっと・知りたくて
10. Woman“Wの悲劇"より
11. 探偵物語
12. 夢の中へ


オリジナル発売日1987/9/25。


コンサートツアー「星紀行」を収めたライブビデオということで、
アルバム『星紀行』の曲を中心に演奏。
後のコンサートでは聞けない曲がたくさん聞けるのが嬉しい。


演出も務めた伊集院静の作詞による未発表曲2曲「1. 星は何処へ行くのでしょう」「4. 日差しはとてもオシャレさん」が収録されているのも目玉。

ビデオは「星は何処へ行くのでしょう」のアカペラで幕を開ける。
・・・ただし、この曲のみライブではなく別撮りと思われる。
「日差しはとてもオシャレさん」では、薬師丸の珍しいピアノ弾き語りなんかも見られます。
中学生の時にコーラス部だった薬師丸さん、以前からピアノも弾けたんでしょうか?(^^


ラストの「夢の中へ」のエンディングでは、涙を浮かべながら手を振る薬師丸さんが印象的です。
丁寧にお客さんにお辞儀をする姿・・・
もう、こんな品のあるアイドルは生まれないでしょう・・・と思わせる素敵な映像です。


『星紀行』 薬師丸ひろ子 キャプチャー
右下の笑顔、最高です♪


『星紀行』 薬師丸ひろ子 キャプチャー2
短いインタビューやリハーサルの様子、PVなどの映像も織り込まれています。


内なる小宇宙〜MICROCOSM〜 【キューブくん.net メモリアル】
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