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『ジョンの魂』 ジョン・レノン

ジョンの魂(John Lennon/Plastic Ono Band)/ジョン・レノン(John Lennon)
ジョン・レノン(John Lennon)

ビートルズ解散後、初のソロ・アルバム。ジョンの心情を吐露した、極めて内省的な内容となっており、シンプルなサウンドが、ヴォーカルと詞世界をいっそう際立たせている。

■曲目リスト [試聴・ダウンロード]

1. マザー(母)
2. しっかりジョン
3. 悟り
4. ワーキング・クラス・ヒーロー(労働階級の英雄)
5. 孤独
6. 思い出すんだ
7. ラヴ(愛)
8. ウェル・ウェル・ウェル
9. ぼくを見て
10. ゴッド(神)
11. 母の死
-ボーナス・トラック-
12. パワー・トゥ・ザ・ピープル
13. ドゥ・ジ・オズ


1970年、ビートルズ解散後に初めて発表されたジョン・レノンのソロアルバム。
これ以前にもジョン・レノン&オノ・ヨーコの名義でアルバムを発表していており、
それらを入れると4枚目のアルバムとなる。


『ジョンの魂』はジョン・レノンの最高傑作アルバムだ。
と書くと聞き心地の良いポップな音を想像させてしまうかもしれないが、
アルバム冒頭から重苦しい鐘の音から幕を上げる。
日本盤タイトル通り、ジョンの魂そのものであり叫びが詰まっている。
「イマジン」のような綺麗なジョンだけではなく、弱い1人の人間としてのジョンがここにはいる。


ビートルズの解散で傷ついていたジョンは、
アーサー・ヤノフ博士による「プライマル・スクリーム」精神治療を受けている。
プライマル・スクリームとは、人間心理の奥深くに潜む苦痛を呼び覚まし、すべてを吐き出すという治療法である。
この体験でジョンは、学生の頃に母を失った記憶などが蘇り、大声を上げて泣き出したという。

こうした経緯で、このアルバムには、心の暗闇を吐き出すような曲が収録されている。


“お母さん行かないで お父さん帰ってきて”と絶叫する「1. マザー(母) 」
“ビートルズを信じない”と、ビートルズとの決別を宣言する「10. ゴッド(神)」
是非、歌詞を見ながら聞いて欲しい。

「7. ラヴ(愛) 」のような綺麗なバラードも収録、
ラストはカセット・テープで録った「11. 母の死」で静かに幕を下ろす。コンセプトとしても素晴らしい。


・・・と思ったら、2000年の再発売以降はボーナス・トラックが追加されていて、
そのあたりの余韻は微妙になってしまっています。
(嬉しいやら、悲しいやら・・・・)

とにかく内容が重すぎるので、決してBGMとして気楽に聞くアルバムではないが、
心を動かす歌声は永遠に色あせることはないでしょう。

『ジョンの魂』の音は潔いほどシンプルだ。楽器も最低限のものしか使われていない。
現在のレコーディングは打ち込みが当たり前になり、
マルチトラックで音を何度も重ねて、分厚い無機質で機械的な音楽しか聴けなくなってしまった。


そんな今だからこそ、音楽の本質を感じ取ってもらいたい。
本当に大切なものは変わらないのだから・・・・



▲GOD


▲デモバージョン? かっこいい



投稿者 SAKAKI : 2007年12月28日 14:57

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