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『ザ・ビートルズ・モノ・ボックス(BOX SET)(リマスター)』 ザ・ビートルズ
ザ・ビートルズ・モノ・ボックス(BOX SET)(リマスター) (The Beatles In Mono)【初回生産限定盤】 ザ・ビートルズ(The Beatles) ザ・ビートルズのモノラル用ミックスの集大成ともいえるボックス。『プリーズ・プリーズ・ミー』からのオリジナル・モノ・ミックスのアルバム10枚とステレオ盤『パスト・マスターズ』に対応したアルバム未収録集の『モノ・マスターズ』を収めている。紙ジャケット仕様。 |
■ディスクリスト
DISC 1 プリーズ・プリーズ・ミー
DISC 2 ウィズ・ザ・ビートルズ
DISC 3 ハード・デイズ・ナイト
DISC 4 ビートルズ・フォー・セール
DISC 5 ヘルプ!
DISC 6 ラバー・ソウル
DISC 7 リボルバー
DISC 8 サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド
DISC 9 マジカル・ミステリー・ツアー
DISC 10-11 ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)
DISC 12-13 モノ・マスターズ
2009年9月9日、全オリジナル・モノ録音185曲が最新のデジタル・サウンドでリリースされた。
『ヘルプ!』以降の6枚のアルバムがモノラルでCD化されるのは初。
長年のファンでも、聞いたことがない人が多いのではないだろうか。
そんな貴重な音源がリマスターで聞けるのは画期的な事なのだ。
さらに『ヘルプ!』『ラバー・ソウル』の2作は、ボーナス・トラックに
65年版のオリジナル・ステレオ・ミックスも収録している。
※この2枚は1987年の初CD化時に、ジョージ・マーティンがリミックスを行っている。
これら歴史的な音源だが、分売はされないので、
この限定ボックス・セットを逃さず手に入れておきたい。
■なぜ今モノなのか?
ビートルズが活動した60年代は、再生機がモノからステレオへ移行する時期にあったため、
モノラル盤とステレオ盤の2ミックスが作られている。
『ホワイト・アルバム』までは、基本的にモノでの再生を想定してレコーディングが行われていた。
当時のイギリスでは圧倒的にモノ再生装置のほうが普及していたためだ。
ビートルズ自身もモノラル・ミックスのみに立ち会っていたり、
マスタリングに費やした時間もモノラル・ミックスのほうが長い。
また、ジョンが聞いていたのもモノラル・ミックスだった。
このような背景からも、ビートルズが本当に聞かせたかった音は、
モノ・ミックスのほうに反映されているのだ。
そして、もう1つ!モノの人気の理由がある。
それは、ずばり別テイクが豊富に聞けるということだ。
ステレオとモノは、それぞれ個別にミックス・ダウンを行っているので、
同じ曲でもテイク違いやミックス違いの曲が非常に多い。
当時はトラック数が少なかったため、トラックダウンを行いながら、楽器やSEをリアルタイムで追加することもあり、
こうした楽器が別テイクだったり、SEの入るタイミングが違っている曲も多い。
また、フェード・アウトが遅い曲もあり、今まで聞けなかったアドリブ・ボーカルやギターソロが聞けるのも、
ファンにはたまらないのである。
<代表的な別テイク>
・プリーズ・プリーズ・ミー … ステレオではサビ後のAメロでジョンが歌詞を間違えている。
・恋におちたら … ステレオではジョンのボーカルがダブルトラック。モノはシングル。
・ヘルプ … ボーカルとタンバリンが別テイク。モノラルのほうが後日録り直したもの。
・サージェント・ペパーズ〜 (リプライズ) … モノにはエンディングにポールのアドリブ・ボーカルが入っている。
・ブルー・ジェイ・ウェイ … モノは、テープ編集によるコーラス、SEが入っていない。
・オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ … モノでは、イントロの手拍子がカットされている
■音の感想
今回のリマスター作業は、ステレオとモノで2班に別れ、
スタジオもスピーカーも異なる環境で行われている。
ステレオがより高音を立ち上げているのに対し、モノは控えめだ。
正直、87年CDとの違いがわかり辛いくらいだが、ステレオに比べてバランスのよい上品な仕上がりで好感がもてる。
もともと1トラックのモノラル音源に変化を加えることは非常に難しいことで、
これは非常に賢明なリマスター作業であったと評価できる。
モノ班がステレオ・リマスターを行ったものを聞いてみたいくらいだ。
また、マスターテープに起因するものだが、
ステレオ盤に比べてリバーブ成分が少なくミックスされている(特にアルバム『ヘルプ』)こともあり、
ボーカルがはっきりと非常にタイトに聞けるのは驚いた。
* * *
=ボックスの仕様=
引き出し式でCDが取り出しやすい。
ステレオ・ボックスに比べてコンパクトで、頻繁に聞くのにもストレスなく◎
▲ブックレットと日本語解説
あまり厚くないブックレットが1つ。日本版は日本語解説と歌詞が1冊。
日本語解説にはステレオとのテイク違いも付記されているので、参考になります。
▲紙ジャケット
モノ・ボックスは日本で生産されており、非常に丁寧な作り。
紙も厚く、LPのジャケットをそのまま縮小したようなクオリティの高さ。
▲紙製内袋
懐かしいLP時代の紙製内袋もついている。芸の細かさに感涙。
今回のリマスターは、こうした文化を残してくれている点でもポイントが高い。
▲盤面
LP当時のレーベルを復刻した盤面がカッコいい。
ステレオ盤が大きく「STEREO」と表記されているのに対し、「MONO」表記はなし。
当時はモノがレギュラー盤だったことを、こうしたところからも感じ取れる。
左上『プリーズ・プリーズ・ミー』 右上『ヘルプ!』
左下『マジカル・ミステリー・ツアー』 右下『ザ・ビートルズ』
* * *
オマケ〜開封の仕方〜
ボックスの帯は大きくて収納に困るので、そのまま保存したい場合は、
引き出し部分のシュリンク・フィルムをカッターで四角くカットすると良いでしょう。
▼モノ・ボックス動画
投稿者 SAKAKI : 2009年09月16日 15:11
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