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2006年10月30日

『フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ』 スティーヴィー・ワンダー

フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ
スティーヴィー・ワンダー

1968年発表のアルバム。60年代の彼の代表的ヒット・ナンバーとなったタイトル曲のほか、ジェームス・ジェマーソンのベースが印象的な名曲(6)やヒット曲(2)などを収録。

■曲目リスト

1. フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ
2. シュ・ビ・ドゥ・ビ・ドゥ・ダ・ディ
3. ユー・メット・ユア・マッチ
4. アイ・ウォナ・メイク・ハー・ラヴ・ミー
5. アイム・モア・ザン・ハッピー
6. アイ・ドント・ノウ・ホワイ
7. サニー
8. アイド・ビー・ア・フール・ライト・ナウ
9. エイント・ノー・ラヴィン
10. ゴッド・プレス・ザ・チャイルド
11. ドゥ・アイ・ラヴ・ハー
12. ザ・ハウス・オン・ザ・ヒル


この『フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ』は、『インナーヴィジョンズ』と並んで、
ぼくの最も好きなスティーヴィー・ワンダーのアルバムだ。
前作『愛するあの娘に』で急成長を遂げたスティーヴィーは、
このアルバムでソウルシンガーとして、1つの頂点を極めたと思う。

アルバム全編、ソウルフルでノリノリのボーカルがすばらしい・・・いや、すさまじい!


タイトルナンバーでもある1曲目の「1. フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ 」は、
シングルとして最高ランク第2位をマーク。
作者は66年のヒット曲「太陽のあたる場所」と同じロン・ミラー。
もともとはバラードだったこの曲を、スティーヴィーの「もっとアップ・テンポで、ハッピーな曲にしたい」という意向で、
ソウルフルな曲に仕上げられた。
言われればメロディーが綺麗な曲だと気づくが、
スティーヴィー自身のスタイルで歌いこなす力量はやっぱりすごい。


「8. アイド・ビー・ア・フール・ライト・ナウ」も、コード進行やメロディが複雑な曲だが、
そんなことを感じさせないほど自由にソウルフルな節回しで、歌い上げている。


このアルバムの1年前の67年には、ビートルズがロックの金字塔となるコンセプトアルバム
「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」を発売。
69年には、キング・クリムゾンがシンフォニックなプログレッシブ・アルバム
「クリムゾン・キングの宮殿」を発表。
同年、マイルス・デイヴィスは電子楽器、ポリリズムを取り入れて前衛的なアルバム「ビッチェズ・ブリュー」を録音。
60〜70年代は、あらゆるジャンルの音楽が、恐ろしい進化を遂げた時代だった。
この『フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ』も、そんな中で必然的に生まれたのかも知れない。


これだけ、すごいアルバムなのだが、当時の日本では発売すらされていない。
 ほんとに日本という国は・・・。
そんなわけで知名度はいまひとつであるものの、
『フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ』は、ソウルシンガー=スティーヴィー・ワンダーの最高傑作であると同時に、
ソウルアルバムの名盤であることは間違いないでしょう。

唯一、地味なジャケットが残念ですが・・・(何


でも、本人は結構派手な格好して歌ってます。


「神」を感じた・・・


2006年10月29日

『愛するあの娘に』 スティーヴィー・ワンダー

愛するあの娘に
スティーヴィー・ワンダー

1967年発表のアルバム。モータウン・レーベルの代表格として名を馳せていた頃の作品。全米ソウル・チャート1位を記録したタイトル曲は、ビーチ・ボーイズからホイットニーまで数多くのアーティストが愛してやまない名曲。

■曲目リスト

1. 愛するあの娘に
2. センド・ミー・サム・ラヴィン
3. 泣きたい気持
4. 誰もが愛を求めてる
5. リスペクト
6. マイ・ガール
7. ベイビー・ドント・ユー・ドゥ・イット
8. ア・フール・フォー・ユー
9. キャン・アイ・ゲット・ア・ウィットネス
10. アイ・ピティ・ザ・フール
11. プリーズ・プリーズ・プリーズ
12. アイ・ゴー・ワイルド



通算8枚目として1967年9月にリリースされた『愛するあの娘に』は、
ソウルシンガーとしてのスティーヴィー・ワンダーの姿が充分表現された傑作である。

『アップタイト』の頃は、変声期ということもあり荒削りな感じもあったが、
このアルバムでは声も安定し、ソウルシンガーとしてのスタイルを確立している。
脂の乗り切ったボーカルが感応できる・・・と言っても、
まだやっと17歳になったばかりなのだが。


1曲目のアルバムタイトルにもなっている「愛するあの娘に」は、
ソウルチャートでNO.1に輝いている。
ソウルシンガー「スティーヴィー・ワンダー」黄金期の幕開きを告げる傑作だ。
『アップタイト』から1年半、驚くべき成長を遂げた歌声は、すでに他の追随を許さないほどのクオリティーだ。

このアルバムは、この曲だけでも聞く価値がありますが、
同じくオリジナル曲(共作)の「4. 誰もが愛を求めてる」のキャッチーなサビも◎。
「12. アイ・ゴー・ワイルド 」のクールな曲調もかっこいい。


『太陽のあたる場所』 スティーヴィー・ワンダー

太陽のあたる場所
スティーヴィー・ワンダー
ユニバーサル インターナショナル (2005/04/29)

1966年発表の7thアルバム。まだ本人の手による楽曲が少ない時期の作品だが、どんな曲でも自分のものにしてしまうシンガーとしてのずば抜けた才能を感じさせる1枚。タイトル曲が大ヒットを記録。

■曲目リスト

1. 太陽のあたる場所
2. バン・バン
3. ダウン・トゥ・アース
4. サンキュー・ラブ
5. ビー・クール,ビー・カーム
6. シルビア
7. 二人だけの世界
8. ロンサム・ロード
9. エンジェル・ベイビー
10. ミスター・タンブリン・マン
11. 16トン
12. ヘイ・ラブ



前作「アップタイト」と同年の1966年発表された7枚目のアルバム。
まずこれだけクオリティーの高い作品を短期間で連発できることに感服。


今作でもスティーヴィーは積極的に曲作りに参加しています。
ビートルズも短期間ですばらしい作品群を残しましたが、
アーティストが創作意欲に溢れている時というのは、そういうものなのかも知れないですね。


オープニングを飾る「太陽のあたる場所」は、ポップで綺麗なメロディが印象的な超名曲。
先行シングルは、最高第9位を記録しています。
素直なコード進行で、日本人が大好きなタイプの曲調、、
カラオケにもしっかり入ってます。(^-^


「太陽のあたる場所」を筆頭に、このアルバムはメロディのしっかりしたポップな曲が中心で、
それゆえ、ソウルファンにはやや物足りなさもあるかもしれませんが、
それぞれの楽曲の完成度は高く、聞きどころが多い。


前作に続いて、ボブ・ディランの曲(10. ミスター・タンブリン・マン)が収録されているのも興味深い。
オリジナル曲の4. サンキュー・ラブ 、6. シルビア は、ソウルフルでいてポップな曲。
コード進行や、メロディも味わいがあり、60年代のスティーヴィーのすごさは、こういうところにあると思う。
後に発表する名盤『フォ−・ワンス・イン・マイ・ライフ』へ繋がる曲と言えそうだ。


『アップタイト』 スティーヴィー・ワンダー

アップタイト
スティーヴィー・ワンダー
ユニバーサル インターナショナル (2005/04/29)

1966年発表、15歳当時のアルバム。H.コスビーらのプロデュース力も手伝って極上のポップ・サウンドに仕上がっている。この頃から作曲者としてクレジットされ、ソングライターとしての才能を開花させ始めた。

■曲目リスト

1. ラヴ・ア・ゴー・ゴー
2. ホールド・ミー
3. 風に吹かれて
4. ナッシングズ・トゥー・グッド・フォー・マイ・ベイビー
5. 今夜教えて
6. アップタイト
7. エイント・ザット・アスキング・フォー・トラブル
8. アイ・ウォント・マイ・ベイビー・バック
9. プリティ・リトル・エンジェル
10. ミュージック・トーク
11. コントラクト・オン・ラヴ
12. 大人は知らない


スティーヴィー・ワンダーの初期のアルバムを調べたところ、
残念ながら、CD化されてないのもあるようで、全部を揃えるのは無理のようです。
実は11歳でデビューしてたことを知ってちょっとびっくり。
やっぱり天才だったんですね。


この『アップタイト』は6枚目のアルバムで、CD化されているものでは『フィンガ−ティップス』(ライブ)、『わが心に歌えば』についで古いアルバムとなっています。
15歳当時の若いスティーヴィーのちょうど変声期を迎えた頃の歌声。
特に62年の作品、11. コントラクト・オン・ラヴは、まだ小さな子供って感じでかわいい、
あれ?マイケル?って思いました。(^^*


“リトル”スティーヴィー・ワンダーという名でデビューし大ヒットを記録していたが、
今作は、共作ながら4曲で作曲を手掛けているという意欲的な作品。
これまでのようなスタンダードナンバーとはがらっと変化し、
モータウンらしいソウルフルな楽曲が中心だ。


なかでもタイトルナンバー「アップタイト」は、秀逸。
全体を通して流れる高揚感、一度聞いたら忘れない強烈なサビが特徴。
この曲が、スティーヴィーの方向性を決定付けたと言って良いかもしれない。


他には、ボブディランの「3. 風に吹かれて」が収録されているのも面白いが、
オープニングを飾る「ラヴ・ア・ゴー・ゴー」が印象深い。


全体を通して後のスティーヴィーに比べると、
歌はややラフな感じで、高音のシャウトが目立つ。。


アップタイト/スティーヴィー・ワンダー


『わが心に歌えば』 スティーヴィー・ワンダー

わが心に歌えば
スティーヴィー・ワンダー
ユニバーサル インターナショナル (2005/04/29)

1963年発表の4thアルバム。ディズニー・ソング「星に願いを」などのスタンダード・ナンバーを中心としたポップな仕上がりで、バックの分厚いオーケストレーションが彼のヴォーカルを引き立てている。

■曲目リスト

1. わが心に歌えば
2. 星に願いを
3. スマイル
4. メイク・サムワン・ハッピー
5. ドリーム
6. 悲しむのはよそう
7. サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート
8. ゲット・ハッピー
9. ギヴ・ユア・ハート・ア・チャンス
10. 歌なしで



2006年10月15日

「トンズ・オブ・ソブス」 フリー

トンズ・オブ・ソブス+8

●ロック・シーンに多大な影響を与えたポール・ロジャース率いる『フリー』、
1969年3月に発表された衝撃のデビュー・アルバム。オリジナル・トラック8曲を収録。



[Tons Of Sobs試聴]

1. オーヴァー・ザ・グリーン・ヒルズ~パートI
2. ウォリー
3. ウォーク・イン・マイ・シャドウ
4. ワイルド・インディアン・ウーマン
5. ゴーイン・ダウン・スロウ
6. アイム・ア・ムーヴァー
7. ザ・ハンター
8. ムーンシャイン
9. スウィート・トゥース
10. オーヴァー・ザ・グリーン・ヒルズ~パートII
11. アイム・ア・ムーヴァー(BBCセッション)
12. ウェイティン・オン・ユー(BBCセッション)
13. ガイ・スティーヴンス・ブルース(ブルース・ジャム)
14. ムーンシャイン(オルタナティヴ・ヴォーカル)
15. スウィート・トゥース(アーリー・テイク&オルタナティヴ・リリックス)
16. ヴィジョンズ・オブ・ヘル(未発表マスター・ミックス)
17. ウーマン・バイ・ザ・シー(オルタナティヴ・ヴァージョン)
18. オーバー・ザ・グリーン・ヒルズ(BBCセッション)


また最近、FREE聞き始めました。
やっぱりポール・ロジャーズのボーカルはいい。

フリー(特にボーカル)を聴くなら3枚目までがオススメです。


これはフリー、衝撃のデビュー・アルバム。
ブルースを貴重にしながら、独特のダークなサウンドを作り上げてます。
メンバーがまだ10代とは思えないクオリティー。

ロジャースのボーカルは、荒さの中に繊細さがある。
完成度では次の2枚目と3枚目に譲りますが、
シャウトはぶっ飛んでてしびれます。

本物のロックが聴きたい人に・・・。


来月にはBBCのスタジオライブを集めたアルバムと、
寄せ集めのビデオが出るので要チェックです。

ビデオのほうは演奏部分は既に知られてる映像中心で、
インタビューなどが加えられた内容みたいなので、買おうか迷い中。。

2006年10月11日

『フィンガ−ティップス (LIVE)』 スティーヴィー・ワンダー

フィンガーティップス(The 12 Year Old Genius)/スティーヴィー・ワンダー(STEVIE WONDER)
スティーヴィー・ワンダー(STEVIE WONDER)

1963年発表のライヴ・アルバム。当時、弱冠13歳だった彼が“リトル・スティーヴィー・ワンダー”と名乗っていた頃の作品でライヴ盤ながらも全米No.1に輝いた。同タイトルのシングル曲もミリオンセラーを記録した。

■曲目リスト

1. フィンガーティップス
2. ソウル・ボンゴ
3. ラ・ラ・ラ
4. マスカレイド・イズ・オーヴァー
5. ハレルヤ・アイ・ラヴ・ハー・ソー
6. ドローウン・イン・マイ・オウン・ティアーズ
7. ドント・ユー・ノウ


シカゴで行われたライヴを収録したスティーヴィー・ワンダーの3枚目のアルバム。
まだ若干13歳のスティーヴィー。
声変わりはまだしていない、、ジャクソン5のマイケルのようにも聞こえる。
しかしこの若さでも会場との掛け合いなど堂々としていて、人を引き込み魅了する。

「1. フィンガーティップス」はシングルとしてリリースされていたハーモニカをフィーチャーした曲で、
ビルボードのホット100で大ヒット。
1963年8月10日から3週ナンバーワンを獲得したのだった。
そんな中で、このアルバムもビルボードのアルバムチャートで1位に輝いている。
この時、スティーヴィー・ワンダーはホット100/R&B/アルバムチャートの3部門で同時1位に輝く最初のアーティストとなっている。

そんなわけで、ある意味記念碑的なアルバムとも言えるのだが、認知度はあまり大きいとは思えませんね。
インストゥルメンタルが占める割合が大きいのが1つの要因か・・・

自分が聞いての感想は、特に「4. マスカレイド・イズ・オーヴァー」のようなバラードでの表現力がすごい。
繊細なニュアンスとか、R&Bが流行している昨今の日本でも真似できる人はいないと思うしね。

またモノラル録音というのも寂しいが、
一番の不満は、・・・収録曲が少ないということか。LP時代とは言え、27分は短い。
それでも、若くて弾けるようなスティーヴィーのライブを体感できるのは、素晴らしいことに変わりはありません。


2006年10月10日

『レイ・チャールズに捧ぐ』 スティーヴィー・ワンダー

レイ・チャールズに捧ぐ(Tribute To Uncle Ray)/スティーヴィー・ワンダー(STEVIE WONDER)
スティーヴィー・ワンダー(STEVIE WONDER)

『ジャズ・ソウル』に続いて企画されたセカンド・アルバムはレイ・チャールズのカヴァー集。
多彩な12才の少年はこのアルバムでうたの実力を示し、シンガーとして世の中に紹介されていくことになった。日本初CD化

■曲目リスト
1. ハレルヤ・アイ・ラヴ・ハー・ソー
2. エイント・ザット・ラヴ
3. ドント・ユー・ノウ
4. ザ・マスカレード
5. フランキー&ジョニー
6. ドラウン・イン・マイ・オウン・ティアーズ
7. カム・バック・ベイビー
8. メアリー・アン
9. サンセット
10. マイ・ベイビーズ・ゴーン



『ジャズ・ソウル ~スティーヴィー・ワンダー・ファースト・アルバム』 スティーヴィー・ワンダー

ジャズ・ソウル 〜スティーヴィー・ワンダー・ファースト・アルバム(The Jazz Soul of Little Stevie Wonder)/スティーヴィー・ワンダー(STEVIE WONDER)
スティーヴィー・ワンダー(STEVIE WONDER)

すべてはここから始まった―――。
ハーモニカ、ボンゴ、ドラム、オルガン、ピアノを嬉々として演奏する弱冠11才の“リトル・スティーヴィー”。
記念すべきファースト・アルバムの日本初リリースは高音質のSHM-CDで実現!日本初リリース

■曲目リスト
1. フィンガーティップス
2. スクエア
3. ソウル・ボンゴ
4. マンハッタン・アット・シックス
5. ポールスビー
6. サム・アザー・タイム
7. ワンダーリング
8. セッション・ナンバー112
9. バム



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