スティーヴィー・ワンダー
『ジャズ・ソウル ~スティーヴィー・ワンダー・ファースト・アルバム』 スティーヴィー・ワンダー
すべてはここから始まった―――。
ハーモニカ、ボンゴ、ドラム、オルガン、ピアノを嬉々として演奏する弱冠11才の“リトル・スティーヴィー”。
記念すべきファースト・アルバムの日本初リリースは高音質のSHM-CDで実現!日本初リリース
■曲目リスト
1. フィンガーティップス
2. スクエア
3. ソウル・ボンゴ
4. マンハッタン・アット・シックス
5. ポールスビー
6. サム・アザー・タイム
7. ワンダーリング
8. セッション・ナンバー112
9. バム
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『レイ・チャールズに捧ぐ』 スティーヴィー・ワンダー
『ジャズ・ソウル』に続いて企画されたセカンド・アルバムはレイ・チャールズのカヴァー集。
多彩な12才の少年はこのアルバムでうたの実力を示し、シンガーとして世の中に紹介されていくことになった。日本初CD化
■曲目リスト
1. ハレルヤ・アイ・ラヴ・ハー・ソー
2. エイント・ザット・ラヴ
3. ドント・ユー・ノウ
4. ザ・マスカレード
5. フランキー&ジョニー
6. ドラウン・イン・マイ・オウン・ティアーズ
7. カム・バック・ベイビー
8. メアリー・アン
9. サンセット
10. マイ・ベイビーズ・ゴーン
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『フィンガ−ティップス (LIVE)』 スティーヴィー・ワンダー
1963年発表のライヴ・アルバム。当時、弱冠13歳だった彼が“リトル・スティーヴィー・ワンダー”と名乗っていた頃の作品でライヴ盤ながらも全米No.1に輝いた。同タイトルのシングル曲もミリオンセラーを記録した。
■曲目リスト
1. フィンガーティップス
2. ソウル・ボンゴ
3. ラ・ラ・ラ
4. マスカレイド・イズ・オーヴァー
5. ハレルヤ・アイ・ラヴ・ハー・ソー
6. ドローウン・イン・マイ・オウン・ティアーズ
7. ドント・ユー・ノウ
シカゴで行われたライヴを収録したスティーヴィー・ワンダーの3枚目のアルバム。
まだ若干13歳のスティーヴィー。
声変わりはまだしていない、、ジャクソン5のマイケルのようにも聞こえる。
しかしこの若さでも会場との掛け合いなど堂々としていて、人を引き込み魅了する。
「1. フィンガーティップス」はシングルとしてリリースされていたハーモニカをフィーチャーした曲で、
ビルボードのホット100で大ヒット。
1963年8月10日から3週ナンバーワンを獲得したのだった。
そんな中で、このアルバムもビルボードのアルバムチャートで1位に輝いている。
この時、スティーヴィー・ワンダーはホット100/R&B/アルバムチャートの3部門で同時1位に輝く最初のアーティストとなっている。
そんなわけで、ある意味記念碑的なアルバムとも言えるのだが、認知度はあまり大きいとは思えませんね。
インストゥルメンタルが占める割合が大きいのが1つの要因か・・・
自分が聞いての感想は、特に「4. マスカレイド・イズ・オーヴァー」のようなバラードでの表現力がすごい。
繊細なニュアンスとか、R&Bが流行している昨今の日本でも真似できる人はいないと思うしね。
またモノラル録音というのも寂しいが、
一番の不満は、・・・収録曲が少ないということか。LP時代とは言え、27分は短い。
それでも、若くて弾けるようなスティーヴィーのライブを体感できるのは、素晴らしいことに変わりはありません。
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『わが心に歌えば』 スティーヴィー・ワンダー
ユニバーサル インターナショナル (2005/04/29)
1963年発表の4thアルバム。ディズニー・ソング「星に願いを」などのスタンダード・ナンバーを中心としたポップな仕上がりで、バックの分厚いオーケストレーションが彼のヴォーカルを引き立てている。
■曲目リスト
1. わが心に歌えば
2. 星に願いを
3. スマイル
4. メイク・サムワン・ハッピー
5. ドリーム
6. 悲しむのはよそう
7. サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート
8. ゲット・ハッピー
9. ギヴ・ユア・ハート・ア・チャンス
10. 歌なしで
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『アップタイト』 スティーヴィー・ワンダー
ユニバーサル インターナショナル (2005/04/29)
1966年発表、15歳当時のアルバム。H.コスビーらのプロデュース力も手伝って極上のポップ・サウンドに仕上がっている。この頃から作曲者としてクレジットされ、ソングライターとしての才能を開花させ始めた。
■曲目リスト
1. ラヴ・ア・ゴー・ゴー
2. ホールド・ミー
3. 風に吹かれて
4. ナッシングズ・トゥー・グッド・フォー・マイ・ベイビー
5. 今夜教えて
6. アップタイト
7. エイント・ザット・アスキング・フォー・トラブル
8. アイ・ウォント・マイ・ベイビー・バック
9. プリティ・リトル・エンジェル
10. ミュージック・トーク
11. コントラクト・オン・ラヴ
12. 大人は知らない
スティーヴィー・ワンダーの初期のアルバムを調べたところ、
残念ながら、CD化されてないのもあるようで、全部を揃えるのは無理のようです。
実は11歳でデビューしてたことを知ってちょっとびっくり。
やっぱり天才だったんですね。
この『アップタイト』は6枚目のアルバムで、CD化されているものでは『フィンガ−ティップス』(ライブ)、『わが心に歌えば』についで古いアルバムとなっています。
15歳当時の若いスティーヴィーのちょうど変声期を迎えた頃の歌声。
特に62年の作品、11. コントラクト・オン・ラヴは、まだ小さな子供って感じでかわいい、
あれ?マイケル?って思いました。(^^*
“リトル”スティーヴィー・ワンダーという名でデビューし大ヒットを記録していたが、
今作は、共作ながら4曲で作曲を手掛けているという意欲的な作品。
これまでのようなスタンダードナンバーとはがらっと変化し、
モータウンらしいソウルフルな楽曲が中心だ。
なかでもタイトルナンバー「アップタイト」は、秀逸。
全体を通して流れる高揚感、一度聞いたら忘れない強烈なサビが特徴。
この曲が、スティーヴィーの方向性を決定付けたと言って良いかもしれない。
他には、ボブディランの「3. 風に吹かれて」が収録されているのも面白いが、
オープニングを飾る「ラヴ・ア・ゴー・ゴー」が印象深い。
全体を通して後のスティーヴィーに比べると、
歌はややラフな感じで、高音のシャウトが目立つ。。
アップタイト/スティーヴィー・ワンダー
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『太陽のあたる場所』 スティーヴィー・ワンダー
ユニバーサル インターナショナル (2005/04/29)
1966年発表の7thアルバム。まだ本人の手による楽曲が少ない時期の作品だが、どんな曲でも自分のものにしてしまうシンガーとしてのずば抜けた才能を感じさせる1枚。タイトル曲が大ヒットを記録。
■曲目リスト
1. 太陽のあたる場所
2. バン・バン
3. ダウン・トゥ・アース
4. サンキュー・ラブ
5. ビー・クール,ビー・カーム
6. シルビア
7. 二人だけの世界
8. ロンサム・ロード
9. エンジェル・ベイビー
10. ミスター・タンブリン・マン
11. 16トン
12. ヘイ・ラブ
前作「アップタイト」と同年の1966年発表された7枚目のアルバム。
まずこれだけクオリティーの高い作品を短期間で連発できることに感服。
今作でもスティーヴィーは積極的に曲作りに参加しています。
ビートルズも短期間ですばらしい作品群を残しましたが、
アーティストが創作意欲に溢れている時というのは、そういうものなのかも知れないですね。
オープニングを飾る「太陽のあたる場所」は、ポップで綺麗なメロディが印象的な超名曲。
先行シングルは、最高第9位を記録しています。
素直なコード進行で、日本人が大好きなタイプの曲調、、
カラオケにもしっかり入ってます。(^-^
「太陽のあたる場所」を筆頭に、このアルバムはメロディのしっかりしたポップな曲が中心で、
それゆえ、ソウルファンにはやや物足りなさもあるかもしれませんが、
それぞれの楽曲の完成度は高く、聞きどころが多い。
前作に続いて、ボブ・ディランの曲(10. ミスター・タンブリン・マン)が収録されているのも興味深い。
オリジナル曲の4. サンキュー・ラブ 、6. シルビア は、ソウルフルでいてポップな曲。
コード進行や、メロディも味わいがあり、60年代のスティーヴィーのすごさは、こういうところにあると思う。
後に発表する名盤『フォ−・ワンス・イン・マイ・ライフ』へ繋がる曲と言えそうだ。
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『愛するあの娘に』 スティーヴィー・ワンダー
1967年発表のアルバム。モータウン・レーベルの代表格として名を馳せていた頃の作品。全米ソウル・チャート1位を記録したタイトル曲は、ビーチ・ボーイズからホイットニーまで数多くのアーティストが愛してやまない名曲。
■曲目リスト
1. 愛するあの娘に
2. センド・ミー・サム・ラヴィン
3. 泣きたい気持
4. 誰もが愛を求めてる
5. リスペクト
6. マイ・ガール
7. ベイビー・ドント・ユー・ドゥ・イット
8. ア・フール・フォー・ユー
9. キャン・アイ・ゲット・ア・ウィットネス
10. アイ・ピティ・ザ・フール
11. プリーズ・プリーズ・プリーズ
12. アイ・ゴー・ワイルド
通算8枚目として1967年9月にリリースされた『愛するあの娘に』は、
ソウルシンガーとしてのスティーヴィー・ワンダーの姿が充分表現された傑作である。
『アップタイト』の頃は、変声期ということもあり荒削りな感じもあったが、
このアルバムでは声も安定し、ソウルシンガーとしてのスタイルを確立している。
脂の乗り切ったボーカルが感応できる・・・と言っても、
まだやっと17歳になったばかりなのだが。
1曲目のアルバムタイトルにもなっている「愛するあの娘に」は、
ソウルチャートでNO.1に輝いている。
ソウルシンガー「スティーヴィー・ワンダー」黄金期の幕開きを告げる傑作だ。
『アップタイト』から1年半、驚くべき成長を遂げた歌声は、すでに他の追随を許さないほどのクオリティーだ。
このアルバムは、この曲だけでも聞く価値がありますが、
同じくオリジナル曲(共作)の「4. 誰もが愛を求めてる」のキャッチーなサビも◎。
「12. アイ・ゴー・ワイルド 」のクールな曲調もかっこいい。
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『フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ』 スティーヴィー・ワンダー
1968年発表のアルバム。60年代の彼の代表的ヒット・ナンバーとなったタイトル曲のほか、ジェームス・ジェマーソンのベースが印象的な名曲(6)やヒット曲(2)などを収録。
■曲目リスト
1. フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ
2. シュ・ビ・ドゥ・ビ・ドゥ・ダ・ディ
3. ユー・メット・ユア・マッチ
4. アイ・ウォナ・メイク・ハー・ラヴ・ミー
5. アイム・モア・ザン・ハッピー
6. アイ・ドント・ノウ・ホワイ
7. サニー
8. アイド・ビー・ア・フール・ライト・ナウ
9. エイント・ノー・ラヴィン
10. ゴッド・プレス・ザ・チャイルド
11. ドゥ・アイ・ラヴ・ハー
12. ザ・ハウス・オン・ザ・ヒル
この『フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ』は、『インナーヴィジョンズ』と並んで、
ぼくの最も好きなスティーヴィー・ワンダーのアルバムだ。
前作『愛するあの娘に』で急成長を遂げたスティーヴィーは、
このアルバムでソウルシンガーとして、1つの頂点を極めたと思う。
アルバム全編、ソウルフルでノリノリのボーカルがすばらしい・・・いや、すさまじい!
タイトルナンバーでもある1曲目の「1. フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ 」は、
シングルとして最高ランク第2位をマーク。
作者は66年のヒット曲「太陽のあたる場所」と同じロン・ミラー。
もともとはバラードだったこの曲を、スティーヴィーの「もっとアップ・テンポで、ハッピーな曲にしたい」という意向で、
ソウルフルな曲に仕上げられた。
言われればメロディーが綺麗な曲だと気づくが、
スティーヴィー自身のスタイルで歌いこなす力量はやっぱりすごい。
「8. アイド・ビー・ア・フール・ライト・ナウ」も、コード進行やメロディが複雑な曲だが、
そんなことを感じさせないほど自由にソウルフルな節回しで、歌い上げている。
このアルバムの1年前の67年には、ビートルズがロックの金字塔となるコンセプトアルバム
「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」を発売。
69年には、キング・クリムゾンがシンフォニックなプログレッシブ・アルバム
「クリムゾン・キングの宮殿」を発表。
同年、マイルス・デイヴィスは電子楽器、ポリリズムを取り入れて前衛的なアルバム「ビッチェズ・ブリュー」を録音。
60〜70年代は、あらゆるジャンルの音楽が、恐ろしい進化を遂げた時代だった。
この『フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ』も、そんな中で必然的に生まれたのかも知れない。
これだけ、すごいアルバムなのだが、当時の日本では発売すらされていない。
ほんとに日本という国は・・・。
そんなわけで知名度はいまひとつであるものの、
『フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ』は、ソウルシンガー=スティーヴィー・ワンダーの最高傑作であると同時に、
ソウルアルバムの名盤であることは間違いないでしょう。
唯一、地味なジャケットが残念ですが・・・(何
でも、本人は結構派手な格好して歌ってます。
↓
「神」を感じた・・・
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『マイ・シェリー・アモール』 スティーヴィー・ワンダー
1969年発表のアルバム。60年代の彼のラブ・バラードの代表的作品とされるタイトル・チューンや全米ソウル・チャート5位を記録したロン・ミラーの名曲「イエスター・ミー」などを収録。
■曲目リスト
1. マイ・シェリー・アモール
2. ハロー・ヤング・ラヴァーズ
3. アット・ラスト
4. ハートに火をつけて
5. いそしぎ
6. 君と僕
7. 真珠
8. 誰かが知っている
9. イエスター・ミー
10. アンジー・ガール
11. ギヴ・ユア・ラヴ
12. あなたは僕のもの
1969年に8月にリリースされた13枚目のアルバム。
「フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ」が大ヒットし、
モータウンの若手スターとして人気急上昇の時期で、
ちょうど自ら作詞、作曲、プロデュースを担っていく過渡期にもあたる。
このアルバムでは、自作曲は5曲に過ぎないが、
才能が大変な勢いで開化しはじめている。
当時のスティーヴィーは1ヶ月に150曲もの作品を書いたことさえあったらしい。
・・・単純計算1日に5曲ということになる。すごいエネルギーだ。
タイトルチューン「マイ・シェリー・アモール」は、
スティーヴィーが、ビートルズの「ミシェル」に影響されて作った曲で、
(正直、「ミシェル」には勝てないかも知れないが)
当初シングル「アイ・ドント・ノウ・ホワイ」のB面として発表された。
A面が中ヒットであったのに反して、「マイ・シェリー・アモール」のほうにリクエストが殺到し多くのラジオで流れる事となった。
これを受けてこのアルバムでフィーテャーされることになった。
アルバムのラストにもオリジナル曲が3曲並んでいるが、
どの曲もメロディーが綺麗で、ポップさに驚く。
「ギヴ・ユア・ラヴ」はスタンダードナンバーを聞いているような錯覚にさえとらわれる。
隠れた名曲だと思う。
ロン・ミラーが書いた「イエスター・ミー」は、ポップでコマーシャルな曲で、
10月にシングルカットされ最高7位にまでいく。
他にもドアーズの「ハートに火をつけて」、スタンダード「いそしぎ」を収録するなど、
全体にソウル色が薄れ、サウンド的にも過渡期にあるアルバムだ。
▲マイ・シェリー・アモール
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『涙をとどけて』 スティーヴィー・ワンダー
スティーヴィー自身のプロデュースによる70年作品。「涙を届けて」、「ヘヴン・ヘルプ・アス・オール」、ビートルズのカヴァー「恋を抱きしめよう」が大ヒット。
1. 夢の中の君
2. 恋を抱きしめよう
3. 涙をとどけて
4. ヘヴン・ヘルプ・アス・オール
5. 表紙で本はわからない
6. シュガー
7. ドント・ワンダー・ホワイ
8. あなたのためなら
9. マイ・ヘヴン・ウォーク・アウェイ
10. ジョイ
11. 歌がなければ
12. サムシング・トゥ・セイ
70年代の第一弾となるアルバム。
当時20歳を迎えたスティーヴィーは、モータウンと2度目の契約更新をし、
自作のプロデュース権を獲得している。
つまり、『涙をとどけて』はスティーヴィーにとって、
アーティストとしての部分を全面的に発揮することを許された初のアルバムである。
サウンド的にも60年代のソウルシンガーとしてのそれから、
70年代のクリエイティブなファンク系の音へのターニング・ポイントとなっている。
このような背景から、アルバムとしてはややまとまりのなさが目立ち、
60年〜70年代の作品群の中では、印象の弱いものといえる。
それでも、アルバムタイトル曲「涙をとどけて」は米ヒットチャートのポップ部門第3位、R&B部門第1位、
そして「ヘヴン・ヘルプ・アス・オール」 は同チャートのポップ部門第9位、R&B部門第2位、
という大ヒットを記録している。
そして、なんと言ってもビートルズの「恋を抱きしめよう」をカバーしているのが大きな特徴。
スティーヴィーは、ソウルフルにかなりフェイクして歌い上げている。
ビートルズ・バージョンは、サビでリズムが三連符にチェンジするという革新的なアレンジがされていたが、
スティーヴィー・バージョンはそのままのリズムで演奏されている。
オリジナルを知っている人は、このあたりいささか物足りなさを感じてしまうかもしれない。
ということで、この曲ではオリジナルのビートルズバージョンの勝利といえそうだ。
ともかく、このアルバムでも、若干20歳とは信じられないほどの歌唱力の成長振りを見せている。
さらに次作以降では、作曲、プロデュースでも恐ろしいまでの才能を見せ付けられることになるのだ。
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『青春の軌跡』 スティーヴィー・ワンダー
71年発表のアルバム。全曲が当時の妻であったシリータ・ライトと共作で、大ヒット曲「愛してくれるなら」では彼女とのデュエットを披露している。全体的に美しい楽曲が印象的な作品。
1. ルック・アラウンド
2. 気がむくままに
3. あなたの兵士
4. 悲しみの中から
5. 愛してくれるなら
6. 打ち明けたい
7. 幸福への道
8. 夏に消えた恋
9. 瞳の中の太陽
1971年に録音された『青春の軌跡』では、
ソングライター、アレンジャー、プロデューサーとして自己主張できる立場を獲得。
スティーヴィーは70年、前アルバムタイトル曲「涙をとどけて」を共作したシリータ・ライトと結婚する。
残念ながら長くは続かず翌71年には離婚しているのだが・・。
このアルバムでは、収められた9曲すべてをシリータ・ライトと2人で共作している。
そのシリータのコーラスも所々で聞ける。
実験的な感触のアルバムで、散漫な印象もぬぐえないが、
アルバム全体から、これまでできなかったことを自由にやっている感じが伝わって、
聞く側を楽しくさせてくれる。
1曲目「ルック・アラウンド」のシンセサイザーのイントロから、
このアルバムがこれまでとは全く違うことを宣言しているようで印象的だ。
続く「気がむくままに」では、ファンキーなクラヴィネットをフィーチャー。
後に発表するアルバム『トーキング・ブック』『インナーヴィジョンズ』に繋がるようなアレンジが気持ち良い。
このアルバムを機に次のアルバムでは更にファンク色を増して、
すごい世界へ向かっていくことになるのでした。
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『心の詩』 スティーヴィー・ワンダー
1972年の『トーキング・ブック』から『キー・オブ・ライフ』までが、スティーヴィー・ワンダーの怒涛の才能が爆発した時期の傑作群として知られているが、これはその前夜に製作されたアルバム。とはいえクオリティ的には、それらの傑作に決して劣らない出来。自らの音楽的なアイデンティティを確立した1枚と言える。
1. ラヴ・ハヴィング・ユー・アラウンド
2. スーパーウーマン
3. アイ・ラヴ・エヴリ・リトル・シング
4. スウィート・リトル・ガール
5. 輝く太陽
6. ガール・ブルー
7. シームズ・ソー・ロング
8. キープ・オン・ランニング
9. 悪魔
通算16枚目のオリジナルアルバムとなる『心の詩』は、
プロデュースはもちろん、作曲、楽器演奏を含め、ほとんど全てを1人でやってのけた、
スティーヴィー黄金の70年代の幕開けを告げる作品。
『ファースト・フィナーレ』までのいわゆる4部作のスタートだ。
巨大なシンセサイザーを持ち込んだ音作りにはまったスティーヴィーは、
レコーディングにのめりこみ、その費用だけでも25万ドル近くかかったと言う。
制作をはじめた1年後には、完成したリズムトラックは35曲に及んだ。
その中から生まれたのが本作『心の詩』なのだ。
サウンド的にも、スティーヴィー流のファンク、シンセサイザー、
瞬間的に転調するリフなど、『インナーヴィジョンズ』への布石ともいえる内容。
特に【1】ラヴ・ハヴィング・ユー・アラウンドは、ファンキーで最高。
【5】 輝く太陽や【6】ガール・ブルーなども
『インナーヴィジョンズ』に入っていてもおかしくない曲だ。
じっくりと聞かせる【2】スーパーウーマン、壮大な【9】悪魔もすばらしい。
一般的にはマイナーなアルバムだが、
ベストアルバムにあげる人もいるほど完成度の高いアルバムだ。
個人的には、次の『トーキング・ブック』『インナーヴィジョンズ』には及ばないとは思っているが、
スティーヴィー全盛期を告げる1枚であることは間違いないだろう。
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『トーキング・ブック』 スティーヴィー・ワンダー
誰もが一度は耳にしているであろう「サンシャイン」、ジェフ・ベックのために書かれた「迷信」などスティーヴィーの代表曲が数多く収録されている音楽史に輝くモンスター・アルバム。
1. サンシャイン
2. メイビー・ユア・ベイビー
3. ユー・アンド・アイ
4. チューズデイ・ハートブレイク
5. バッド・ガール
6. 迷信
7. ビッグ・ブラザー
8. ブレイム・イット・オン・ザ・サン
9. アナザー・ピュア・ラヴ
10. アイ・ビリーヴ
1972年にリリースされた17枚目のアルバム『トーキング・ブック』は
3部作の第1作目となると同時に80年まで続くスティーヴィー全盛期の幕開けとなる傑作だ。
前作『心の詩』と同じくセルフプロデュース。
クレジットされているゲストミュージシャンを省くすべての楽器を自ら手がけている。
シンングルカットされた「1. サンシャイン」「6. 迷信」はともにチャートのトップに、
さらに73年のグラミー賞で5部門を制覇するなどスティーヴィーにとっても記念碑的作品なのである。
サウンド的には、「迷信」に代表するファンキーなクラヴィネットが特徴的。
この曲をライブでやる時には、スティーヴィーが歌いながら
まるで打楽器のようにクラヴィネットを演奏する姿が見られる。
ここまで完璧なリズムで弾きこなせるのはやっぱりすごい。
コンピューターによる打ち込みが当たり前になっている今では、
こういう演奏ができる人はいないでしょうね。
ファンクからバラードまで色々なサウンドが満遍なく楽しめるが、
アルバムのトータリティとしては、ファンク色全開の次作『インナーヴィジョンズ』で1つの頂点を迎える。
■「迷信(Superstition)」
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『インナーヴィジョンズ』 スティーヴィー・ワンダー
グラミー賞最優秀アルバム賞受賞!全米アルバム・チャート最高位4位を記録した大ヒット・アルバムで不朽の名作!(1973年リリース作品)
1. トゥ・ハイ
2. 愛の国
3. 汚れた街
4. ゴールデン・レディ
5. ハイアー・グラウンド
6. 神の子供たち
7. 恋
8. くよくよするなよ
9. いつわり
社会的テーマを扱った問題作にして最高にポップなアルバムで、一般的に言う“70年代4部作”の第2弾。モータウンの呪縛から解き放たれた天才が、溢れ出る表現欲求を注ぎ込んだ偽り無きドキュメント。神懸り的に凄い!
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『ファースト・フィナーレ』 スティーヴィー・ワンダー
前作『インナーヴィジョンズ』を発表した1973年、スティーヴィー・ワンダーは交通事故で、生死をさまよう程の瀕死の重傷を負う。彼はその時、神の存在を強く感じたとコメント、復帰作となるこの作品は、その時の彼の心境を反映したような、今までにはないタイプの、神秘性の漂う曲が多く収録された名作となった。
1. やさしく笑って
2. 1000億光年の彼方
3. トゥー・シャイ
4. レゲ・ウーマン
5. クリーピン
6. 悪夢
7. 愛あるうちにさよならを
8. 聖なる男
9. 美の鳥
10. プリーズ・ドント・ゴー
1974年に重厚なタイトルをもつファンク&ソウルアルバムである本作がリリースされたころ、
スティービー・ワンダーは次から次へと作品を発表していた。
本作でもいつも通り、ワンダーはストレートなラブソングに思いがけない肌触りと深みを与えている。
心揺さぶるピアノ・バラード「Too Shy to Say」では恋に気後れする気持ちを歌い、「君とともに飛び去りたい、もうこれ以上ふたりですることがなくなるまで」という1節は、ワンダーがこれまで歌ったなかで最も悲しいフレーズと言える。
また、ゆがんだファンクンナンバー「Boogie On Reggae Woman」やリチャード・ニクソン大統領を非難する怒りに満ちた「You Haven't Done Nothin'」のようなより激しいナンバーは、アルバムのトータル感を損なうことなく緊迫感をもたらしている。
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『キー・オブ・ライフ』 スティーヴィー・ワンダー
76年発表、クラシックとしての風格さえ漂う、彼の最高傑作とされる2枚組大作。とにかく単純に魅力的な曲が、これでもかと詰まっているすばらしいアルバム。
不思議な旋律や深遠な愛を描く名曲が収められている。
■ディスク:1
1. ある愛の伝説
2. 神とお話し
3. ヴィレッジ・ゲットー・ランド
4. 負傷(コンチュージョン)
5. 愛するデューク
6. 回想
7. 孤独という名の恋人
8. 楽園の彼方へ
9. 今はひとりぼっち
10. 出逢いと別れの間に
■ディスク:2
1. 可愛いアイシャ
2. 涙のかたすみで
3. ブラック・マン
4. 歌を唄えば
5. イフ・イッツ・マジック
6. 永遠の誓い
7. アナザー・スター
8. 土星
9. エボニー・アイズ
10. 嘘と偽りの日々
1976年に発表し、グラミー賞を総なめにしたポピュラー音楽の歴史に残る大名盤。
当時は2枚組LPプラス4曲入りEP盤という形でリリースされ(現在は2枚組みCD)、
14週連続全米1位を記録した怪物アルバムだ。
“70年代4部作”でファンク色を強め、神がかり的なアルバム『インナーヴィジョンズ』を送り出したスティーヴィーだが、
この『キー・オブ・ライフ』ではそのファンク色はやや影を潜め、落ち着いたR&Bテイストのアルバムに仕上げている。
なんとなく80年代以降のスティーヴィーのイメージにも重なる。
一説には『キー・オブ・ライフ』制作中には3000曲を作り、700曲を録音したとも言われるように、
インストゥルメンタルナンバーを含む様々なタイプの曲が収録されており、創作意欲に溢れた内容となっている。
「回想」「愛するデューク」「アナザー・スター」「永遠の誓い」がシングルカットされているが、
シングルカットされていない「可愛いアイシャ」などもポップで、彼の代表曲として親しまれている。
ビートルズを意識して作ったという曲もあるようで、ビートルズに大きな影響を受けていたことがわかる。
ストリングスを使ったアレンジ、アルバムとしてのトータル性では、
『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』。
アルバムのボリューム、様々なタイプの曲という点で『ホワイトアルバム』、
サウンドの完成度の高さでは『アビイ・ロード』といった
ビートルズのアルバムをあわせ持ったような名盤もいえるかもしれない。
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